私がITエンジニアになった理由(その2:部内エンジニア編)

BitDesignLaboの更新第2回目は、前回に引き続きブログ更新担当:ユウスケが部門内エンジニアになってからの経緯をお話ししていこうかなと思います。

1、部門内エンジニアの業態って?

前回までの記事で、私は上司の作ったVBAから独学でコーディングを学習し、その能力を認められて2人態勢で活動を始めた所までお話しましたが、実際に部門内エンジニア時代がどんな環境でどんな業態だったかの説明がチラッとしかできていなかったので、そのお話もしていきます。

まず環境ですが、2人体制とは言っても上司は概要をさらっと教えてくれたのみで、VB.NETとSQL Serverも独学で学習し、フォームアプリとデータベース構築の基礎を身に着けることとなります。

一番最初に任されたのが、とあるグループで新規に立ち上げた販売事業の注文管理システムの修正でした。もともと上司がデータベースから作成したフォームアプリのシステムで、アプリからデータベース内のレコードを更新して、販売情報の登録や進捗を管理するというシステムでした。

前述の通り、上司はアプリ大枠を教えたら多忙なマネージャーとしての業務に戻ってしまうので、コードを読んで細かい内容を確認していきます。要件定義や仕様書、wikiのようなものは当然なく、別の担当者と共有することを一切考慮していないアプリケーションでしたので、今考えるとよくこんな仕事に手を出したなと考えてしまいます。(社内SEあるあると言えばそれまでなのでしょうがw)

それから勉強として部門内アプリの修正と改修を繰り返しました。実際のところ新規にアプリを作るだけのコーディングの知識も企画力もまだ備わっていなかったので、なんの説明もないジャングルをかき分けるようなコード修正でも、とてもいい勉強だと言い聞かせ続けました。になりました。

そして業態はというと、上司はマネージャーを兼務しているのは前述通りですが、わたしも今までやっていた通常業務(販売や物流の事務とオペレーション)と兼業で開発を行っておりました。こればかりは会社や組織や部門によって大きく変わるとは思いますが、前回の記事でも書いた通り、配属された部門ではVBAやアプリ開発技術が評価に直結することはありませんでしたし、いくら業務を効率化できても私一人分の業務を他人に回せるほどの高効率化とはならないのが現実でした。その代わり、上司のように開発の知識に関して理解がある人が目をつけてくれて、回り道となっても積み重ねた業務効率化の実績が評価につながっていくといううれしさもありました。

2、得られたのは新しい『概念』

VBAからプログラミングに入門した方なら、なんとなく共感していただけると思いますが、VBAからVB.NETへの技術的な適応はそれほど時間がかかりませんでした。どちらも昔ながらのBasic言語なので、Google等で検索をすれば先人たちが質問したQAやブログにまとめられたサンプルコードがたくさんありました。それらを自分なりに適応させて、開発を行っておりました。

しかし、データベースという『概念』を自分に定着させることは非常に苦労しました。なぜなら業務をする上で『データを纏める=Excel』という概念が根強く残っていたためでした。VBAのコードをいじっているときから、データベース(AccessやSQL Server)にアクセスしてデータを読み込んだり更新したりという知識は持っておりましたし、テーブルとカラムとレコードも『Excelのシートとか行列と一緒やな~』なんて思っておりました。

しかし、今までコードの修正ばかり行っていた私が、いざ1からフォームアプリやデータテーブルなど一連のシステムを構築するとなると話は違ってきました。Excelでの表づくり癖というか概念が逆に邪魔をしてしまい、最初のころは『カラムにLEFT式を入力したが、計算式が文字列で入力されるだけで計算結果が出ないのは何故だ!?』と本気で悩むくらいにはExcelの固定概念に支配された脳みそをしておりました。(特に初めてAccessに最初に触れたときは、同じOfficeのアプリケーションだったため、Excelとの違いすらよく分かっていないほどのトンチンカンっぷりでした…)

それの固定概念を打ち壊せた理由について、ハッキリとした自覚がありませんが、一つだけ上司に言われて意識していたことは『先ずは一連の動作を完成させる』というテーマでした。その言葉通り、先ず一つの動作を作ってからは、これまでの概念にとらわれることなく、自然と開発の速度が上がっていき、全体のシステムを完成させることができました。後々解ることですが、上司から言われたこの言葉はFacebook開設者マーク・ザッカーバーグ氏の『完璧を目指すよりまず終わらせろ』という言葉に触発されて教えられた教訓でした。

本来この言葉は完璧主義にこだわらないことで、業務を効率化させたり、面倒なことを先送りにしないための教訓の言葉だと思うのですが、私にとってこの言葉は、データベースという概念を『完璧』に理解できていなくても『こういうものか』と流して作っていくことで、後から概念を定着させていくことができる魔法の言葉となりました。

それ以降は、特に新しい技術や概念と直面することはなく、VB.NETとSQLserverを駆使して、4~5年ほどの間部門内エンジニアとしての使命を全うしていくこととなります。(この辺りは文章にしてもしょうがないなぁというような内容なので、割愛させていただきます。)

ここまでが、部門内エンジニアとして活動していた期間の経緯でした。前回の記事で、『ここからいかにして専業エンジニアを目指すようになったか』という予告をしておりましたが、ちょっと長くなってしまったので、次の記事こそは本当に専業エンジニアとしての私の活躍を描いていきたいと思います。

この記事を書いた人

ユウスケ